「一宇荘」周辺の文化財を巡ってみませんか?
一宇荘がある茅野市内には、旧石器時代から現代に至るまでの様々な文化遺産が残されています。例えば、国宝「土偶」(縄文のビーナス)や国の特別史跡尖石(とがりいし)遺跡のような、縄文時代の遺跡・遺物を代表する文化遺産があります。また、古くからある神社やお寺などにも、祖先から伝えられたこの地方特有の貴重な文化財が残されています。
今回は、茅野市尖石縄文考古館、尖石遺跡公園の文化財をご紹介します。
※アクセス:諏訪インターから車で25分 JR中央線茅野駅からバスで20分
国宝「土偶」(縄文のビーナス)
「土偶」とは、縄文時代に作られていた土の人形です。縄文のビーナスと言われるこの「土偶」は、市内の棚田遺跡から出土しました。縄文時代の集落は、何軒かの家がお祭りなどに使う広場を中心にして環状に作られています。この「土偶」は、その広場の中の土坑と呼ばれる小さな穴の中に横たわるように埋められていました。
下方に重心がある安定した立像形で、全長は27p、重さは2.14sです。
この「土偶」は、八ヶ岳山麓の土偶の特徴と造形美を合わせ持つことや、当時の精神文化を考えるためにも貴重な学術資料であることから、1995年に、縄文時代の遺跡から見つかったものの中で初めて国宝に指定されました。
国宝「土偶」(仮面の女神)
仮面の女神の愛称をもつこの「土偶」は、市内の中ッ原遺跡から出土しました。全長は34p、重さは2.7sあります。顔に仮面をつけた姿を思わせる形であることから、一般に仮面土偶と呼ばれています。今から4000年前の縄文時代後期前半に作られたものとされています。
出土した時には、右足が壊れて胴体から外れていましたが、後の調査で、これは人為的に取り外したものではないかと考えられるようになりました。
特別史跡 尖石石器時代遺跡
尖石遺跡は、縄文時代中期(約5000年前〜4000年前)の遺跡で、小学校教師の宮坂英弌氏が縄文集落の研究を目的に発掘した、我が国最初の縄文集落研究の地です。 1952年に、縄文時代では、最初の特別史跡に指定されました。
集落の中心に尖石と呼ばれる巨石があり、その上面に古代人が石器を研いだ跡が残っています。後に特別史跡に追加指定された与助尾根遺跡一帯を含めると、約220軒の住居址が確認され、八ヶ岳山麓で最大級の集落であったことが分かっています。