2020年04月02日

会館だより「かけはし」

 2020令和2年度の教育が始まります。

忙しい先生方間違った情報に惑わされないで・・・」

 4月1日から新学習指導要領による新しい教育が始まりました。今までも小中学校の先生方は、早朝出勤と超過勤務、休憩時間も取れないような超多忙な毎日を送っています。 

それだけに、一部報道や専門家の「もっともらしい情報」に惑わされることなく、冷静に取り組んでいただきたいと思います。「学習指導要領の解説」、文部科学省や教育委員会の「通知」や「指導資料」、国立教育政策研究所や区市教育研究所の「報告」や「手引き」などを参考にして、「子供のために」を基本に、工夫を加えて自校流にしていただくことを期待しております。保護者も地域住民も応援しています。

★その1<新型コロナウイルスへの対応>

 新型コロナウイルスによる臨時休校は、「子供の生命・健康の保護」をねらいとして実施されたものです。これに伴って、子供と保護者には「子供の自宅での過ごし方」「子供の自宅での学習」「保護者の勤務との関わり」等々、学校に「休業中における子供への支援」「学習の遅れ」「授業時数の確保」「学習評価及び修了認定」「進路指導と対応」等々といろいろあり大変です。

 教育委員会の方針に基づいて、校長先生を中心に焦らず、じっくり腰を落として、チーム学校として取り組むことが重要だと思います。

★その2<新しい教科の導入―➀>

 小学校3・4年外国語活動、5・6年英語科が新しく導入されました。移行措置で、何を「目標」に、どのような「内容」を、どのように「指導したら(学習させたら)」よいか、つかめたと思います。教師自身の英語力を高めつつ、ICTを活用して体験活動をとりいれた「会話力」を高めることに、じっくり取り組んでください。「習う」より「慣れよ」ということが言われますが、完璧を求めずに「通じた!!」という喜び体験を大事にしてください。

★その3<新しい内容の導入―➁>

 小学校にプログラミング教育が導入されました。小学校学習指導要領総則第3の(3)ア「コンピュータを活用した学習の基盤となる基本操作」、イ「プログラミングを体験しながらコンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的な思考力(プログラミング的思考力)を身に付ける学習活動」の解説、「算数科・理科・総合的な学習の時間」編を参考にして、【具体的・体験的に易しく】学習させることが大切です。

なお、新しい教育内容として「主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング=AL)」が導入されたという情報が流されていますが、これは間違いです。ALは、小中学校が既に行ってきた「主体的な学び(自分からする、自分でする学び)」「対話的な学び(グループや全体で学び合い、自分も高まり、集団(みんな)も高まる)」「深い学び(学習のまとめ、これまでの学習と関連付ける、これから学びたいことを広げる)」ことを、さらに充実させようということなのです。新しいことと誤解しないで、今までのことを一層「充実する・工夫する」という方向で捉えて、努力を継続しましょう。

★その4<授業時数の確保―➀>

授業時数の確保の工夫の1つとして、40分授業の実践が紹介されています。これは、目黒区など多くの学校で今までも工夫されていました。ここで重要なことは、45分授業として実施された場合の「時間」と、40分で行われた「時間」を同じにすることです。

★その5<授業時数の確保―➁>

朝、午後、放課後の15分授業を、15分×3=45分授業と換算する工夫も紹介されています。これも、平成10年頃にT区立N小学校では「モジュール制時間割」として実施していました。子供の生活リズムや学習過密化に留意して、実施する配慮が必要です。

★その6<授業時数の確保―B>

 午前中5時間授業の工夫も紹介されています。これについても、既に目黒区や武蔵村山市で試行されています。登校時刻がやや早くなるので、保護者の理解と協力が必要です。教職員の働き方改革との関わりで注目されているようです。

また、土曜授業や夏休み短縮も多くの学校が行っています。教育委員会の基本方針を踏まえ、土曜日や長期休業の趣旨を踏まえて、無理なく実施することが大切です。

★その7<指導内容に関する誤解と、もっともらしい説明―➀>

 随分前に、電車のつり広告や週刊誌で「今度(平成15年度)から円周率が3になった」と喧伝されたことがありました。事実は、学習指導要領でも算数科教科書でも、「円周率は3.14です。円のおよその円周や面積を見積もる時は、3を用いることがあります」と、なっていたのです。いまだに、「円周率を3としていた」と信じている著名人のいることには驚きます。

★その8<指導内容に関する誤解と、もっともらしい説明―➁>

 また、平成15年度の学習指導要領で3年のかけ算が「2位数や3位数に1位数をかけたり、2位数に2位数をかける計算をしたりする」となったので、問題「直径25pの円周の長さは何pか」の答えは、25×3.14のなり、計算できなくなるので円周率を3としたのだともっともらしく解説している著名人もいます。2020年になってもこんなことを言っているのは驚きです。

 ちなみに、平成20年と平成29年告示の学習指導要領では「2位数や3位数に1位数や2位数をかける乗法の計算」となっていて、変わっていません。ただし、発展的な内容として、2位数や3位数に3位数をかけることを扱っている教科書もあります。

 余談になりますが、昭和50年頃は、求人広告に「そろばん2級以上」と計算技能が採用条件にあったのに、暫くすると「1週間ほど研修すれば計算機が使えるようになる」ことから、この条件は削除されました。

★その9<「私は、ゆとり世代だから」と自嘲するタレント>

 ちょっと前に(今でも)「私はゆとり(ゆとり教育)世代だから」と、自分の基礎的な知識の不足を自嘲気味に弁解して笑いを取るタレントが少なくありません。

 「ゆとり教育」という言葉は、公式用語ではなく、誰かが揶揄する意味(?)で造語したようです。ちなみに「教育月報(平成8年9月号)」に「教育内容を基礎・基本に絞り、分かり易く、生き生きとした学習意欲を高める指導を行って、その確実な習得に努め、個性を生かした教育を充実する」、イギリスの哲学者ホワイトヘッドの「あまりに多くのことを教えることなかれ、しかし、教えることは徹底的に教えるべし(少なく教えてたくさん考えさせる)」などが紹介されています。(修練会KH)                

<備考> [成美教育文化会館]で検索すると、「かけはし」「メッセージ」「Q&A」「ほん本ブック」をはじめ「一宇荘」「至楽荘」「成美教育文化会館の会場貸出」など様々な情報が閲覧できます。一度、検索してみてください。

posted by 豊島修練会 at 12:24| 会館だより「かけはし」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする