情 報 活 用 能 力
最近「情報活用能力」という言葉を、よく耳にするようになりました。学校でも、「情報活用能力」が、「言語能力」や「問題発見・解決能力」と同様に、「学習の基盤となる資質・能力」に位置付けられています。
なぜ「情報活用能力」がこのような位置付けをされるようになったのでしょう。それには、インターネットからもたらされる膨大な量の情報や、スマートフォンの急速な普及が関係しています。
◎ インターネットやスマートフォンの利用者
厚生労働省などの調査によると、10代から40代では、ほぼ全員の人がインターネットを利用しています。80代でも7年前は10人中2人でしたが、今では10人中6人以上が利用するようになっています。スマートフォンも同様で、10代から40代では、やはりほぼ全員の人が利用している一方で、高齢の利用者も急速に増えています。60代の人で調べたところ、5年前は五人に一人しか利用していなかったのに、今では半数以上の人が利用するようになっています。
「検索エンジン」という機能を使うと、インターネットからは自分にとって必要な情報を簡単に得ることができます。しかし、それらの情報には不確かなものがあり、そのまま信じることはできません。正しい情報かどうかを吟味する力が必要になります。また次に、膨大な情報のなかから必要な情報を選び出し、整理し、まとめる力が必要になります。そして最後に、その情報を利用したり発信したりする力が必要になります。そのような一連の力が「情報活用能力」なのです。
どんなにインターネットが普及しても、書物から得られる情報や、実体験を通して得られる情報が不必要になるわけではありません。デジタル化が進んでいる今の時代だからこそ、書物から得られる確かな情報や、体験を通して得られる実感を伴った情報が大切なのです。
(T.Y.)