2022年08月05日

会館だより「かけはし」


「食中毒」の正体をあばく 〜感染を防ぎましょう〜

 最近コロナウィルスに対する感染対策意識が高まっていますが、この時期、食中毒についても、十分注意する必要があります。

😮細菌は短時間に急速に増える

 @黄色ブドウ球菌 …… 食中毒の原因となる細菌にはいろいろあります。激しい嘔吐の原因となる黄色ブドウ球菌は、食中毒を起こす数まで増えるのに平均3時間といわれています。この菌による食中毒は、菌が作る耐熱性の毒素によるものです。菌が一旦増えてしまうと、加熱して菌自体を殺しても毒素は生き残るので、食中毒を防ぐことができません。黄色ブドウ球菌は、人の皮膚などに存在する菌なので、直接手で握ったおにぎりや手で詰めたお弁当などから起きることが多いようです。

 Aウェルシュ菌 ……… 土や水の中など自然界に幅広く生息しているウェルシュ菌も、増えると下痢の原因となります。この菌は酸素がないところで増え、100℃で6時間の加熱にも耐える“芽胞”というものを形成します。内部の酸素濃度が低くなる粘性のあるカレーやシチューなどは、短時間加熱しただけでは完全に菌を死滅させることができません。残ったカレーを次の日に改めて加熱しても、食中毒が起きてしまったという例もあります。

食品は冷蔵庫で保管し、回転を早くする食中毒.png

 細菌が増えるには、「水分」「栄養分」「適当な温度」が必要です。干物は昔から「水分」を断つ保存方法として利用されてきました。塩漬けも細菌の細胞内の「水分」を奪う方法のひとつです。また「適当な温度」ですが、細菌が増えやすいのは30℃前後です。冷蔵庫内の温度が10℃以下だと細菌の数は増えなくなり、冷凍庫内がマイナス15℃以下だと、かなり長期の保存が可能となります。残ったカレーなどは冷蔵庫で保存するのが賢い方法です。

 しかし、冷蔵庫内の温度は一定ではありません。扉を開け閉めすれば庫内の温度が上がり、元の温度に戻るまでにかなりの時間を必要とします。開閉は回数を少なくし、短時間にことを終わらせる工夫が求められます。ドアポケットは、奥の方に比べ、温度が上がりやすい部分なので、入れる物や入れる場所には注意しなければなりません。冷蔵庫の内部に冷気が十分行き渡るよう、食品の量を7割以下に抑え、なるべく早く消費してしまうことが安全です。  (T.Y.)

posted by 豊島修練会 at 12:13| 会館だより「かけはし」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする