LED照明は地球温暖化防止になります
2027年末で、蛍光灯の製造や輸出入が禁止されます。
蛍光灯の製造や輸出入が禁止されるのは、水銀による健康被害や環境汚染を防ぐためです。蛍光灯には水銀が含まれているため、適切に処理しないと、水銀が土壌や地下水、河川を経て海に流れ込み、水質汚染を引き起こす可能性があります。水銀は非常に毒性が強い物質で、水俣病や新潟水俣病などの公害病の原因にもなりました。
この問題は「蛍光灯の2027年問題」とも呼ばれ、今後、電球の代わりとなるLEDの値上げが予想されます。ご家庭でも早めにLED照明にしたほうがいいでしょう。
LEDの消費電力は、同じ明るさでも蛍光灯と比較すると3分の1、電球と比較すると8分の1程度しかありません。また寿命も長く、電球の寿命は1,000時間程度ですが、LEDは40,000時間も点灯します。消費電力の削減という面で、照明のLED化は、地球温暖化防止になるのです。
また、LED照明には虫が集まりにくいという特徴もあります。何年か前までは、コンビニの店のガラスに多くの蛾が止まっていましたが、照明が蛍光灯からLEDに変わってからは、あまり見かけなくなりました。これはどうしてかというと、多くの虫は明るさに集まるのではなく、紫外線に集まってくるのですが、LEDにはほとんど紫外線が含まれていないからです。もちろん明るさに反応して集まる虫もいますが、害虫除けにはLED照明がとても有効です。
さらに、2024年現在、東京都には1万6,000台以上の信号機が設置されていますが、すべてがLED化されています。電球の信号機の電気代は1基あたり月額5,000円くらいかかっていましたが、LEDの場合は1基あたり月額1,500円程度で済みます。また電球の場合は、約半年から1年程度で電球を交換しなければなりませんが、LEDの場合は、6年から8年おきに交換すればいいので、メンテナンスの面でも大きな経費の節減になっています。
電球の信号機の場合、西日が当たると点灯しているか消灯しているか見分けがつかず、危険なことがありましたが、LEDになってからはそのようなことが起こらないので、事故防止にも一翼を担っています。一方、LEDの特徴から唯一の弱点となるのは、熱が出ないことです。雪の多い地方では信号機に雪が貼り付いて溶けず、信号の色が見えなくなってしまいます。最近は、この弱点を防ごうとして、いろいろな研究が行われています。(T.Y.)