2025年01月30日

会館だより「かけはし」


クマに気をつけましょう 〜共存するためのヒト側の心構え〜

 最近、クマに襲われたという報道が目に付くようになりました。山菜やキノコ採り、農業・森林内作業などで、高齢者の単独行動中の被害が多くを占めています。

 クマは普通、待ち伏せして人を襲うことはありません。あらかじめ、ラジオや鈴などを鳴らし、ここに人がいるということを知らせておけば襲ってきません。襲ってくるのは、たまたま出会ったクマがびっくりしたときです。そんなとき、子グマを連れた母グマは、子グマを守ろうとして特に攻撃的になるので気を付けなくてはいけません。

 日本には北海道にヒグマ、青森県から南にはツキノワグマが暮らしています。クマは本来臆病な動物で人間を恐れているので、先に人間の存在に気づけば、たいていクマのほうから逃げてしまいます。しかし、凶暴な性質を持つようになったクマの例もあり、油断は禁物です。

クマ.png クマは雑食性で、食べ物の7〜8割はドングリなど木の実やタケノコなどです。動物性の食べ物も、アリやザリガニ、ハチやハチミツなどです。魚を取って食べるということはありますが、普通は、それ以上大きな動物を襲って食べるということはありません。ところが、何かのきっかけで肉の味を覚えると、ウシやシカを襲って食べるようになることが知られています。また捨てられた生ごみなどを食べてその味を覚えると、人里に下りてくるようになります。

 クマの被害が多く報告されているのは、秋田県や岩手県など東北地方です。逆に、島根県・広島県・山口県では絶滅が心配されていて、国により狩猟が禁止されています。

 沖縄県にはクマはいません。九州では1957年を最後にクマが見つかったという記録がなく、2012年に環境省から絶滅宣言が出されました。四国でも、僅か20頭くらいが一部の山の中で暮らしていて、近い将来絶滅するのではないかといわれています。

 ところで、本州で千葉県だけは「クマなし県」と呼ばれていて、クマがいません。どうして千葉県だけクマがいないのか、はっきりした理由は分かっていませんが、房総半島の山は孤立しているので、森林を伝って移動することができないからではないかと考えられています。(T.Y.)

posted by 豊島修練会 at 16:50| 会館だより「かけはし」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする