かけはし R0710月号@.pdfかけはし R0710月号A.pdf
スズメバチに気を付けましょう
〜 共生するために、ヒトが知恵を身に付けるということ 〜
2月の「かけはし」で「クマに気を付けましょう」という話を書きましたが、残念なことに、今年も夏までに、全国で5名の方がクマに襲われて命を落とされました。これからは、ますますクマの危険性に気を配っていく必要がありそうです。
ところで、犠牲者の数だけを考えると、年間10名前後の犠牲者が出ている毒ヘビのほうが怖い存在かもしれません。でもクマや毒ヘビよりもっと怖いのは、スズメバチです。スズメバチに刺されて亡くなる方は、1年間で20名前後もいるからです。スズメバチの仲間であるアシナガバチは、スズメバチほど怖い存在ではありませんが、スズメバチよりも身近な存在なのでやはり気を付ける必要がありそうです。
一度に沢山のハチに襲われたり、首の後ろや眼球などの急所を刺されたりする以外は、一度くらいハチに刺されただけでは、命を落とすことはありません。しかし一度刺されたことがある人は、ハチ毒に対するアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こしやすくなっており、二度目に刺された際に、ショック症状や命の危険につながる可能性があります。スズメバチやアシナガバチに二度刺された場合に、アナフィラキシーを発症した場合、死亡する確率は約17〜20%だと言われています。アナフィラキシーは発症から短時間で死に至る危険があるため、二度目に刺された場合はすぐに医者に診てもらう必要があります。
スズメバチは旧女王も、新女王を送り出した後、働きバチたちと運命をともにするように生涯を閉じます。スズメバチは最も長生きする女王でも、寿命は一年と限定されていて、一つの巣が冬を超えて存続することはありません。ハチの巣の利用は1年限りで再利用されることはないのです。
生き残った新女王は単独で越冬します。この越冬した女王バチが、4月から6月にかけて、一匹で巣作りを始めます。女王バチは、この巣の中に働きバチとなる卵を産み付け、自分で育てます。この時期は攻撃性がほとんどありません。6月から7月にかけて働きバチが羽化するようになると、女王バチは産卵に専念するようになりまます。その後は働きバチの数が増え、巣は急速に大きくなっていきます。巣は球形となり、攻撃性も強くなるの注意が必要です。
スズメバチやアシナガバチは、クヌギなどの樹液にも集まりますが、肉食性でいろいろな虫を食べます。
恐ろしい害虫ではありますが、農業害虫が増えるのをおさえる効果が期待できることから、 益虫とみなされることもあります。生活に支障がない場所にある巣は、刺激せず静かに様子を見守ってください。また、ハチは、黒い色に向かって攻撃してくるので、なるべく黒い服を避け、巣に近づかないなど、ハチを刺激しないような行動をとってください。(T.Y.)

