春の野草の利用 〜「雑草」と思うことなかれ〜
3月は寒さが和らぎ、春の訪れを実感する時期です。野外ではオオイヌノフグリやヒメオドリコソウなどの花が見られるようになります。ところでこれらの草花は、どちらも元々日本にあった植物ではありません。今から150年位前、船などの積み荷に紛れて外国からやってきた植物です。このような植物を帰化植物呼びますが、繫殖力が強く、またたく間に日本中に広がっていくものが多いです。
オオイヌノフグリも1884年に東京で発見されたという記録が残っていますが、それから30年後には、全国で普通に見られる植物になっていました。オオイヌノフグリは秋に芽を出し、他の植物が茂らない冬に広がって育ち、早春に小さな青いたくさんの花をつけ、春の終わりには枯れてしまいます。そして夏の間は種子で過ごすのです。人間やペットに対して毒はないので、駆除する必要はありません。若葉やつぼみに特有のクセが少なく、ほんのりとした甘みがあり、そのままサラダに混ぜたり、お浸しにしたり、天ぷらにしたりして食べることができます。花をちらし寿司の彩りするのもおすすめです。
ヒメオドリコソウはオオイヌノフグリよりも少し遅れて日本に帰化した植物で、やはり毒がなく、山菜として食べることができます。但しそのままでは独特の青臭さやえぐみがあるので、前もって軽く塩ゆでする必要があります。また繁殖力が強いので、温暖な地域では、年間を通して花を見ることができます。ヒメオドリコソウの花は、他の花が少ない早春に咲き、甘い蜜と花粉をたくさん出すので、ミツバチにとっては重要な蜜源植物となります。
春の七草のひとつとして古くからペンペングサとして知られているナズナも代表的な早春の食べられる野草のひとつです。早春の茎が立つ前の地面に広がった葉が特に美味しいです。苦味やクセが少なくお浸しや味噌汁、サラダなど様々な料理に活用できます。 (T.Y.)

