2024年12月05日

会館だより「かけはし」


LED照明は地球温暖化防止になります

 2027年末で、蛍光灯の製造や輸出入が禁止されます。

 蛍光灯の製造や輸出入が禁止されるのは、水銀による健康被害や環境汚染を防ぐためです。蛍光灯には水銀が含まれているため、適切に処理しないと、水銀が土壌や地下水、河川を経て海に流れ込み、水質汚染を引き起こす可能性があります。水銀は非常に毒性が強い物質で、水俣病や新潟水俣病などの公害病の原因にもなりました。

 この問題は「蛍光灯の2027年問題」とも呼ばれ、今後、電球の代わりとなるLEDの値上げが予想されます。ご家庭でも早めにLED照明にしたほうがいいでしょう。

 LEDの消費電力は、同じ明るさでも蛍光灯と比較すると3分の1、電球と比較すると8分の1程度しかありません。また寿命も長く、電球の寿命は1,000時間程度ですが、LEDは40,000時間も点灯します。消費電力の削減という面で、照明のLED化は、地球温暖化防止になるのです。

 また、LED照明には虫が集まりにくいという特徴もあります。何年か前までは、コンビニの店のガラスに多くの蛾が止まっていましたが、照明が蛍光灯からLEDに変わってからは、あまり見かけなくなりました。これはどうしてかというと、多くの虫は明るさに集まるのではなく、紫外線に集まってくるのですが、LEDにはほとんど紫外線が含まれていないからです。もちろん明るさに反応して集まる虫もいますが、害虫除けにはLED照明がとても有効です。

信号機1.jpg さらに、2024年現在、東京都には1万6,000台以上の信号機が設置されていますが、すべてがLED化されています。電球の信号機の電気代は1基あたり月額5,000円くらいかかっていましたが、LEDの場合は1基あたり月額1,500円程度で済みます。また電球の場合は、約半年から1年程度で電球を交換しなければなりませんが、LEDの場合は、6年から8年おきに交換すればいいので、メンテナンスの面でも大きな経費の節減になっています。

信号機2.png 電球の信号機の場合、西日が当たると点灯しているか消灯しているか見分けがつかず、危険なことがありましたが、LEDになってからはそのようなことが起こらないので、事故防止にも一翼を担っています。一方、LEDの特徴から唯一の弱点となるのは、熱が出ないことです。雪の多い地方では信号機に雪が貼り付いて溶けず、信号の色が見えなくなってしまいます。最近は、この弱点を防ごうとして、いろいろな研究が行われています。(T.Y.)

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2024年10月30日

会館だより「かけはし」


柿を食べて、健康に過ごしましょう

柿.jpg 柿は、秋を代表する果実で、ビタミンⅭはレモンよりたくさん含まれています。果物屋で売られている普通の大きさの柿1個で、大人が一日に必要なビタミンⅭ100rは、十分にとれてしまいます。

 ビタミンⅭがどれくらい含まれているかというCMでは、「レモン〇個分」という言葉をよく使います。レモン1個には100rのビタミンⅭが含まれていますが、これは丸ごと食べた場合の数字です。果肉や皮をかじることより絞った果汁だけを使うことが多いので、農林水産省推定ガイドラインでは、レモン1個分のビタミンⅭは20rと換算することになっています。柿のビタミンⅭは、レモンの数倍あるのです。

 ところで、ビタミンⅭは酸っぱいというイメージがあります。しかし柿の実や野菜のブロッコリーを酸っぱいと感じることはありません。レモンの酸っぱさはクエン酸によるもので、ビタミンⅭの酸っぱさではないのです。純粋のビタミンCをたくさんなめると、少しは酸っぱさを感じますが、柿に含まれる程度では味覚に影響する酸っぱさにはなりません。「ビタミンⅭ」=「酸っぱい」となったのは、昔の大航海時代、航海中のビタミンⅭ不足から起きる壊血病を防ぐには、レモンやオレンジなどを食べればいいということを、人々が経験的に知っていたからです。色も純粋なビタミンⅭは白色ですが、ビタミンCをうたった商品には黄色い色をしたものが多いです。テレビやチラシ広告で、ビタミンⅭの色を黄色と表現するのは、それがレモンなどの黄色い果物に多く含まれているからです。

 また、ほとんどの動物はビタミンⅭを体内で合成できるので、外から補給する必要はありません。人間やサル、モルモットなど限られた動物だけがビタミンⅭを必要としているのです。

 柿には、ビタミンⅭだけでなく、健康に有益な成分がいろいろ含まれていて、風邪、脳卒中、高血圧、癌、糖尿病などの病気に対して予防効果があります。柿を食べて、冬を健康に過ごしましょう。 (T.Y.)

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2024年10月03日

会館だより「かけはし」


2℃以上の温度上昇を防ぎましょう

 今年は暑い日が続きました。東京の熱帯夜(夜間の最低気温25度以上の日)の日数は57日、真夏日(最高気温が25℃以上の日)も連続64日で計87日、さらに猛暑日(最高気温が35℃以上の日)も22日を数え、いずれも過去最多で、暑さの記録を更新しました。

 東京は湿度も高く、汗が乾きにくく、体温も下がりにくく、体に熱がこもり、余計に不快に感じる夏となりました。

 記録に残る日本で最も気温の高かった時代は、平安時代から鎌倉時代にかけてです。文献に残る記述から、お花見の時期、年輪の広さ、地層の状況等から、そのことが分かっています。

 当時は世界的にみても気温が高かった時代ですが、兼好法師の徒然草には、冬の寒さはいろいろな方法で乗り切ることができるから、家の造りは夏の暑さ対策を十分にするようにということが書かれています。床を高くしたり壁などを少なくしたりして風通しをよくし、家の周りに池などを配置した寝殿造りは、耐え難い暑さを和らげるための工夫だと考えられています。

 アスファルトの道路やコンクリートの建造物、冷房などの人間活動による熱の影響を受ける現代は、当時よりもさらに気温の上昇が激しく、私たちはこれまで経験したことのない高温の時代に生きていると言えるでしょう。

気温上昇.png 今年、東京は、平年より平均気温が2℃高くなりました。東京以外にも平年より2℃高くなった地方は、かなりあります。わずか2℃の上昇では大したことがないと考えがちですが、このような状態が続くと、人間生活に大きな影響がでてきます。

 青森県の三内丸山遺跡は、5000年前、現在より2℃暖かくて主食となる栗も多く実り、獲物となる動物も多く生息していて、縄文人たちは、豊かな暮らしを送っていました。しかし、4200年前に突然気温が2℃低くなり、栗などの食料生産が激減、動物の数も減少して、縄文時代の衰退につながりました。

 現代に生きる私たちは、例えば「エアコンの設定温度を適切に保つ」「アクセルの踏み加減で速度調節をする」「野菜の加熱を電子レンジにする」ことの先に生み出すエネルギーの抑制があることを想像し、これ以上気温が上昇しないよう努力をし続け、生活していく必要があります。(T.Y.)

posted by 豊島修練会 at 10:08| 会館だより「かけはし」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする