2023年04月05日

会館だより「かけはし」


ジャガイモ大好き! 〜その歴史と食材としての魅力を探る〜

ジャガイモ.jpg ジャガイモの栽培面積は、コムギ、トウモロコシ、イネについで広く、ほかの作物が育たないような高地でも、栽培することができます。ジャガイモやトウモロコシ、サツマイモは新大陸のもので、コロンブスのアメリカ大陸発見のあと、世界に広まった作物です。

 46才の若さで凶弾に倒れた、第35代アメリカ大統領ケネディの曽祖父は、アイルランドからの移民です。もしも曽祖父がアメリカに渡っていなかったら、ケネディはアイルランドの農民として畑を耕し、平凡な一生を送っていたかもしれません。

 ケネディの曽祖父が故郷のアイルランドを離れ、アメリカに渡ることを決意したのは、ジャガイモ大飢饉です。ジャガイモをたくさん栽培するようになったアイルランドでは、西暦1754年に320万人だった人口が、100年後には820万人に増えました。けれども、ジャガイモだけに頼った食生活だったため、ジャガイモに病気が出て収穫量が激減すると、多数の餓死者が出てしまいました。そして多くのアイルランド人が故郷を捨て、アメリカに渡ったのです。

 ジャガイモがヨーロッパやアジアに伝わったのは、西暦1500年からあとのことです。しかし、ヨーロッパに渡ったはじめの頃は、聖書に出ていない作物だという宗教的な偏見や、食べ方をよく知らなかったので、緑色になった部分を食べて食中毒を起こすなど評判が悪く、なかなか普及しませんでした。その後だんだんとその価値が知られるようになり、日本にも江戸時代の始めに、インドネシアのジャカルタ(当時の名前はジャガタラ)から、オランダ船で持ち込まれたと考えられています。

 ジャガイモには、ビタミン・ミネラル・食物繊維がたくさん含まれています。特にビタミンⅭは、ミカンと同じくらいあり、まわりをでんぷんで保護されているため、煮ても焼いてもあまり減らないという特徴を持っています。また、体外に塩分を出す働きがあるので、高血圧を防ぎ疲労回復にも役立ちます。ビタミンⅭ・ビタミンB1・ナイアシン・カリウムなどの成分は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を防ぎ胃の健康も守ってくれます。

 1年間ジャガイモだけを食べて生活していた人を調べたら、何も問題なく健康だったそうです。

 優れた作物であるジャガイモ、早速今晩の食卓に載せてはいかがでしょうか。 (T.Y.)

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2023年03月05日

会館だより「かけはし」


もう一度まわりを見つめてみましょう


 松尾芭蕉の句に「よく見れば なずな花咲く 垣根かな」というのがあります。

 ナズナは、春の七草の一つになっているほど、親しまれている植物で、三角形の実の形が、三味線のバチに似ていることかナズナ.jpgら、ペンペングサとも呼ばれます。春になると白い花が咲きますが、一つ一つの花はとても小さくて、花が咲いているのかどうかわからないほどです。しかし、虫眼鏡で拡大して見ると、十字の白い美しい花だということがわかります。

 同じように春の野原を探すと、ハコベやホトケノザなど、美しい色や面白い形をしたものがたくさん見つかります。芭蕉のように、まわりをよく見つめてみると、思いがけない発見や驚きに、出会うことができるのではないでしょうか。

 ところで、電気コードの先についているプラグの先には、どれにも必ず丸い穴が開いています。この穴は一体なんのためにプラグ.jpg開いているのでしょう。使わないときに壁から出たくぎに、引っ掛けておくためのものでしょうか。実は、コンセントの中には丸い突起があり、これとプラグの穴が噛み合あうことで、プラグを抜けにくくしているのです。日本では経済産業省令という法律で、プラグは根元から11.3ミリの場所に直径3ミリの穴を開けることが義務化されています。もし穴の開いていないプラグのついた電気製品があったら、それは不良品です。

 またコンセントの方も、二つ並んだ穴は大きさが同じでなく、右の穴の方が少しだけ小さくなっています。壁に設置されたコンセント.jpgコンセントは、左の穴が9ミリ、右の穴が7ミリの長さになっています。コンセントの左側から供給された電気は、電気製品のなかで使われ、使われた電気は右側の穴に帰ります。この関係は、乾電池の+極(プラスきょく)と−極(マイナスきょく)によく似ています。

 ちなみに、「コンセント」という言葉は和製英語で、海外では通じません。英語では「アウトレット」とか「ソケット」という言葉を使います。「コンセント」には「同心円」という意味があります。明治時代に日本に伝わってきた電気器具には、丸い形のプラグやコンセントが使われていて「コンセントリックプラグ」と呼ばれていました。日本の「コンセント」という呼び方は、ここからきています。

 このように、普段何気なく使っている道具にも、改めて見つめてみると、思いがけない発見に、出会うことがあります。(T.Y.)

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2023年02月09日

会館だより「かけはし」


「白く見えるのは水蒸気です」か?

 1年の中で最も気温が低くなる日があるのは、1月の終わりから2月中旬にかけてです。北海道では氷点下40℃以下になることがありますし、沖縄でも、10℃以下に下がることがあります。今年は都心でも、1月の終わりに氷点下4℃まで気温が下がりました。東京都心の観測史上最も気温が低かったのは、1876年(明治9年)1月13日で、氷点下9.2℃です。

 人間が定住する場所で最も寒い場所とされているのは、ロシア東シベリア・サハ共和国のオイミャコンで、1933年に氷点下67.7℃を記録しました。しかし、夏には30℃を越えることもあり、寒暖差の激しい土地としても知られています。釣った魚はすぐに凍りつくので冷凍庫の必要はなく、細菌やウイルスの感染症にもほとんどかかることはありませんが、新型コロナウイルスは気温の高低に関係なく活発に活動するらしく、多数の感染者を出しているそうです。

 ところで、寒い日に外に出ると吐く息が白く見えますが、そんな日には、吐く息だけではなく、ほかにもいろいろなところから白いものが見えるようになります。

えんとつ.png 以前、「ごみ焼却施設の煙突から、たくさんの煙が出ている」という苦情を受けた自治体の担当者が、「煙突から出ているのは、煙ではなく水蒸気です」と答えたら、納得してもらえたという話を聞いたことがあります。果たして、この答えは正しいでしょうか。

 日本の小学校では、「水蒸気」は水が気体になったのもので、目に見えないものだということを学習します。目に見えるのは、水蒸気が冷やされ小さな水の粒になったもので、それを「湯気」と呼ぶということも学習します。そうすると、煙突から出ていた白いものは、水蒸気ではなく、湯気だったということになります。でも、「水蒸気という言葉を聞いてどのように感じるか」というアンケートを採ってみると、多くの人が、水蒸気は、白い色をしていると答えるそうです。また、湯気という言葉については、やかんなどの先から勢いよく噴きだす、白いふわふわしたものと感じているそうです。

やかん.png 沸騰しているやかんの口の先をよく見ると、口の近くでは何も見えず、口から少し離れたところから白く見えだすことがわかります。つまり何も見えない部分が水蒸気で、白く見えるところが湯気なのです。白く見えていた湯気が、再び見えなくなってしまうのは、小さな水の粒が空気中に広がって水蒸気にかわり、空気の一部になるからです。洗濯物が乾くのも、花瓶の水が減っていくのも、すべて水が水蒸気に変わったからです。  (T.Y.)
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