令和3年1月26日に、中央教育審議会から「令和の日本型学校教育」についての答申が出されました。今月は、このことを話題にします。(詳しくは「答申」をご覧ください。)
子どもたちへ(小さな子には読んであげてください)
子供には、次のようなことが大切です。★@本を読んで内容を理解すること、A各教科の学習をがんばって自分の頭で考えること、B考えたことを説明すること、C友達などと話し合い学び合うこと、協力して考えたりしたりすること、Dそして新しいことや納得できる仕方を見つけること、Eパソコンを使って調べたり、学習したり、交流できるようにすること、Fまた、いじめなどをしないで友だちと仲良くすること、Gきまりを守ること、思いやりや親切や助け合いをすること、H運動や遊びをして体力を付けること、I病気や伝染病など気をつけて健康な生活を送ること、などです。
どれも当たり前のことですから、少しずつ頑張りましょう。
大人の皆様へ(パパ&ママ、ジジ&ババ)
子供たちにどのような力を付けたらいいかは、上の「子どもたちへ」をご覧ください。
保護者の皆さんは、子供たちが自立できるように、しつけ、生活や健康や食習慣などの家庭教育をお願いします。もちろん、家庭での学習についても、必要な時に子供を助ける(相談に乗る、手伝う、どうしたらいいか教えるなど)ことが必要です。
また、子供が楽しく学校生活ができ、学習も意欲的にできるようにすることも大切です。何か困ったこと、悩みごと、疑問に思うこと、分からないことなどがありましたら、子供のためですから遠慮せず、学校の先生や教育相談所などに相談することが大切です。
そのためには、クレーム(文句)をつける、糾弾するということではなく、学校(先生)と保護者は、子供をよりよく育てるパートナーだと考えて、協力し合うことが大切です。
ですから「こうしたらどうですか」と提案したり、「○○○○についてなら、協力できますよ」と授業のゲストティーチャーを引き受けたりすることも考えられます。
学校の先生がたへ
今回の答申では、教師は、子供たちの資質・能力を育てるための「伴走者」という位置づけをして、日本の先生の「学力を保障する」と「全人的な発達・成長を保障する」役割とともに、「人と安全・安心につながる居場所としての福祉的な役割」も担ってきた実勢の重要性は変わらないということです。
ただし、行政や家庭や地域等の学校を支える関係者がそれぞれの役割を果たして、教師が子供の教育に打ち込めるようにすることが重要です。そのためには、教師の働き方改革を具体的に進めるとともに、ICTを活用して教育方法と校務処理を効率化していくことは不可欠です。
ところで、「令和の日本型学校教育」は、どのような方向に向かって、どのようなことをしようとしているのでしょうか。(全てに触れることはできないので、私の個人的な関心に基づいて説明します。)
<定義>「令和の日本型学校教育」とは、誰一人取り残すことのない、持続可能な多様性と包摂性のある社会(註:あらゆる場において、誰もが参加でき、活躍できる社会)の実現に向け、「持続可能な社会の創り手」を求める我が国を含めた世界全体で、SDGs(註:持続可能な開発目標、sustainable development goolsの略、17の目標がある)に取り組んでいる中で、ツール(註:tool道具、ソフトウエア)としてのICTを基盤としつつ、日本型学校教育を発展させ、2020年代を通じて実現を目指す学校教育。
<子供たちの多様性>子供たちの能力や個性の多様性、子供(家庭)の経済的貧困、特別支援学級(含む普通学級に在籍する)の特別支援を要する児童生徒、外国人児童生徒や日本語指導を要する児童生徒など、子供たちの多様性に応じた指導が必要である。
<学習意欲の低下>子供の学校生活への満足度や学習意欲の低下が指摘されている。楽しくわかりやすい授業、安全・安心の学校生活に配慮する必要がある。
<いじめ、不登校、児童虐待>依然として、いじめ、不登校、児童虐待など、子供を苦しめている事柄が少なくない。学校・教師は、保護者や地域、PTA、関係諸機関と協力・連携して、その解決・減少に向けて具体的な取り組みが求められる。
<個別最適な学び>「指導の個別化」を学習者である子供の視点から見たものが「個別最適な学び」である。そこで、教師には、子供が「個別最適な学び」ができるよう、子供の実態に応じて、学習内容の確実な定着をするとともに、指導計画の充実・工夫をするとともに、子供の成長やつまずき、悩みなどの理解と対応に努め、子供一人一人の興味・関心・意欲等を踏まえて、きめ細かい指導・支援をすること、子供が自ら学習状況を把握し、主体的に学習を調整できるように促していくことが求められている。
その際、子供がICTを日常的に活用して、自らの学習や問題解決の見通しを立てたり、学習状況を自己評価して、新たな学習方法を見つけたり、自ら学び直しや発展的な学習がしやすくしていく等ができるようにしていく配慮が必要である。
また、自分だけの学習活動にならないように、子供同士で「探究的な学習」や「体験活動」などに「協働的な学び」することも取り入れ「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学び」と「興津的な学び」を一体的に実現することが必要である。
<学習の個別化>「指導の個別化」を教師の視点から見たものが「学習の個別化」である。そこで、支援の必要な子供には重点的に指導することや、子供一人一人の特性や学習進度、到達度に応じ、指導方法や教材、学習時間などの柔軟な取組みが必要である。
(BOKE三宅)
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