ほん・本・ブック(修練会)
公益財団法人豊島修練会 2017年10月28 日号(通算第27 号)
子どものほん(子ども、小学生&中学生)
茂吉著「子ども版 人生のネタの本」くだかけ会 本体1000円
この本は、作者が、若い人たちと畑で作物を育てたり、にわとりを飼ったりしながら考えたことを、小・中学生やその両親向けに書いたのだそうです。
内容は、「どんな簡単なことでも両手を使ってやってごらん。意外な効果が出てくるよ」「にげきず、ごまかし、いいかげん どれもみんな本気じゃない」「宿題なんか、やる気が出ない でもやっているうちに面白くなってくるよ」「時間と時刻は、使い分け」「分からないところを見つけるのが勉強」など、ためになることがいっぱいつまっているよ。読んで、家族で話し合ってみようね。
大人の本(パパ&ママ、ジジ&ババなど)
「子どもとたのしむ はじめての えいごえほん にほんのおはなしA」をしょうかいしたら、Aというのだから@もBもあるのだろうから紹介してほしいという意見が寄せられましたので紹介します。Cまであり、次の日本昔話が収録されています。いずれもCDつきです。お子さんとゆったり聞きながら、話し合ってみましょう。(くもん出版、どれも1200円)
@ももたろう さるかにかっせん かさじぞう
Aうらしまたろう つるのおんがえし はなさかじいさん
Bおおきなかぶ うさぎとかめ きんのおのぎんのおの
Cさんびきのこぶた きたかぜとたいよう あかずきん
学校の先生のブック(小学校・中学校の先生)
羽生善治・NHKスペシャル取材班著「人工知能の核心」 NHK出版 本体780円
チェスも、囲碁も、将棋も、人間(プロ)とAI(人工知能)の対戦では、圧倒的(完璧)にAIが強い。もう、これらの世界ではAIに人間は勝てない。そのうち、人間の仕事の大部分はAIに取られてしまうだろうとも言われている。知識・技能を教え込む教師ならAIで大丈夫だとも言われ、「教育とは何か?」「教師の役割は?」と、巷で話題を呼んでいる。大げさに言えば、AIを前にして、「人間とは何か?」「人間はAIに勝てないのか?」「人間とAIは共存できないのか?(AIを人間の幸せのために役立てることはできないのか?)」と、笑点の林家木久扇師匠(演技)並みの頭で悩んでいる。
羽生棋士は、AIは過去の人間の対局データの全てを「記録」ではなく「記憶」していて、その中の最善の一手を打っているに違いないと看過している。本書を読んで、羽生棋士が、科学者のような論理的な思考と、人間味ある美意識を持ち、かつプロの直観力を備え、表現力のあることに驚き、「単なる将棋のプロ」を超えていることに感動した。最後に「人工知能が飛躍的に向上していく。ならば、人間にも同様の飛躍が求められる」で締め括っている。
★備考★なお、話題提供のために本を紹介しているだけで、購読を勧めるものではありません。 [成美教育文化会館]で検索すると、「かけはし」「メッセージ」「Q&A」をはじめ「一宇荘」「至楽荘」「会館の会場貸出」など様々な情報が閲覧できます。ご利用ください。