2016年05月29日

おすすめの「ほん・本・ブック」

今月は、どのコースも同じ本を話題にします。

蒔田晋治作・長谷川知子絵「教室はまちがうところだ」子どもの未来社 1620


子どものほん(子ども、小学生&中学生)

 「まちがうことをおそれちゃいけない。まちがったものをワラっちゃいけない。まちがった意見をまちがった答えを。ああじゃないかこうじゃないかと。みんな出し合い言い合うなかで。ほんとのものを見つけていくのだ。そうしてみんなで伸びていくのだ。」とある。

 誰だって,自分の答えや意見は正しいと思って発言している。でも間違っていることがある。そういうときは、この詩のように、皆で、どうしたら正しくなるか話し合ってみよう。きっと学習が楽しくなるよ。それから、わからないことがあったらどんどん質問しようね。


大人の本(パパ&ママ、ジジ&ババなど)

 冒頭に「教室は間違うところだ。みんなどしどし手を上げて、まちがった意見を言おうじゃないか。まちがった答えを言おうじゃないか。」とある。

へそ曲りの私は、あえて、これに反論する。子どもは、自分の意見や答えが正しい(自信はないかもしれないが)と思ってノートに書いている。間違った意見だと分かっていて発言する子供はいない。答えが間違っていると思いながら発表する子供もいない。

だから、子どもには、自分の考えたことやしたことは正しいと思って発表しなさい。もし間違っていたら、「どうして間違いなのか?」「どうすれば正しくなるのか?」と考えれば、次から同じ間違いはしなくなるよ。と、言うようにしたいものである。

むしろ、分からない時そのままにしておかないで、調べたり質問したりすることを奨励しましょう。「訊くは一時の恥、聞かざるは一生の恥」と言いますね。


学校の先生のブック(小学校・中学校の先生)

 この詩は、中学校の教師だった著者、間違いを恐れるあまり発言しない中学生に「もっと自由に、間違いを恐れずに、間違いを気にせずに自分の意見や答えを発表してほしい」という願いを込めて、生徒へのメッセージとして作ったものだそうである。

 この詩を読んだ小学校3年生の感想「間違いを恐れないで、どしどし発表しようと思います(主旨要約)」を送ってもらって、著者が感動し、出版に至ったそうである。


 教師は、子どもにとってティーチャー(指導者)であるとともにファシリーター(進行役・調整者)でなければならない。第一に、課題に取り組んでいるときには、子どもの学習状況や反応を見取って、そのときその場で支援をすることが大切である。第二に、子どもが発表した時に恥ずかしい思いをさせないよう、答えは間違っていてもきらりと光る部分を見つけ、認めることが重要だ。第三に、アクティブ・ラーニングよろしくその間違いを、この詩のように、皆で話し合い学び合ってよくし、正しくしていくのである。


★備考★[成美教育文化会館]で検索すると、「かけはし」のほか「メッセージ」「Q&A」「ほん本ブック」をはじめ「一宇荘」「至楽荘」「会館の会場貸出」など様々な情報が閲覧できます。ご利用ください。


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2016年04月27日

おすすめの「ほん・本・ブック」


子どものほん(子ども、小学生&中学生)

 ジェンマ・エルマン・ハリス編 西田美緒子訳 タイマタカシ絵「世界一ときめく質問、宇宙一やさしい答え―世界の第一人者は子どもの質問にこう答える」     河出書房新社 本体2500

 まえがきに「子どもからの質問に、大人は冗談や適当な答えでごまかし、その場をやり過ごすことが多い」とある。全く、その通りである。なぜなら、素朴で簡単な質問ほど、実はその意味を子どもに説明することは難しいからである。孫に訊かれて、結構いい答えをした筈なのに「結局、ジージもよくは知らないということね」ということがよくある。

 例えば、第1問は「宇宙には行き止まりがある?」と質問されて、これに素粒子物理学者が、「それは重大な問題だ。でもその答えは、…」と回答している。第2問は、「サルはこれからヒトになっていくの?」と質問し、動物学者&植物学者が、「……。森の中に猿の食べ物がたっぷりあって、森もサルたちが暮らせるだけの十分な広さを保っているなら、サルはずっとサルのままでいるにちがいない」と答えている。「意地悪な人にも優しくしなくちゃいけないの?」等131もの質問と、その道の第一人者による分かり易い答えが紹介されている。子どもが読んでも、読み聞かせても、大人が読んでも、発見の沢山ある楽しい本である。


大人の本(パパ&ママ、ジジ&ババなど)

藻谷浩介・NHK広島取材班「里山資本主義―日本経済は「安心の原理」で動く」

  角川ONEテーマ21 本体781

 都会暮らしは確かに便利だが、本当に幸せなのか。経済的に豊かでもなく生活が近代化していないのに、国民が世界一幸せだと感じているブータンのような国もある。日本にだって昔ながらの住み心地の良い暮らしがある。というような主旨のまえがきがあり、決して、押し付けるわけではないがといいつつ、広島県などいくつかのモデルの紹介を通して、ゆったりした生活の中の幸せを発信している。今の生活を180度変換できないにしても、生き方、生活の仕方を見つめ直すきっかけになる1冊である。


学校の先生のブック(小学校・中学校の先生)

 千々布敏弥監修・福井らしさを探る会編著「県外から来た教師だからわかった福井県の教育力」 

GAKKEN 本体1500

 福井県・秋田県の学力の高さはよく知られている。その要因はどこにあるかを、学校関係者は知りたがっている。本書は、県外から1年間、福井県の公立学校に教師として勤務・研修した教師が、実体験を通して「福井県の教育力」の素晴らしさを解明したものである。

本書から「体力も学力もトップ」の神髄を読み取ってほしい。内容は、第1章「しなやかで高め合う協働−福井の教育の良さ」、第2章「しなやかで高め合う協働はいかにしてつくり上げられたか」、第3章「福井の教師の授業づくり−高い学力を育む授業はどこが違う」、第4章「福井の体力向上−学力と同様に体力も伸ばす」、第5章「自然に行われる徹底」、第6章「福井の良さを取り入れるには」、終章「福井県の教師文化は、重要文化財」である。

posted by 豊島修練会 at 15:52| おすすめの「ほん・本・ブック」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月10日

おすすめの「ほん・本・ブック」

ほん・本・ブック(5).pdf

子どものほん(子ども、小学生&中学生)

 村中李衣作・藤原ヒロコ絵「かあさんのしっぽっぽ」  BL出版 本体1200

 昔は行列ができるくらい売れていた大福屋。でも、近所にケーキ屋ができ、そちらにお客を取られて、今は、売れ行きもたいしたことない。それでもお母さんは大福つくりに忙しく、娘の結依にかまってくれない。結依は台布巾を洗ったり、風呂を洗ったりとても良くお手伝いをしている。

 それでも、お母さんが忙しく,結衣と触れ合う時間がなく、何となく物足りなく思っている。それが、……(詳しく紹介すると、この本を読む楽しみがなくなるので、これ以上は内緒にする)。そして、お母さんが、小さい時のお母さんのように思えて、忙しくても、お母さんが大好きになり、前よりもお手伝いも頑張るようになったとさ。

 本書は、文章が易しく、漢字に読み仮名がふってあるので、小学校低学年なら十分に読みこなすことができる。読み聞かせても、創造力を掻き立てられる楽しい本である。


大人の本(パパ&ママ、ジジ&ババなど)

小山とき子著「歌集 神話のごとし」 新炎短歌会 本体2500

本書は、昭和47年(1972)に結成された東久留米市短歌会の著者ご本人から「東久留米短歌会」のことを知ってもらい、会員を増やしたいので、ぜひ目を通していただきたいとの趣旨で、豊島修練会に寄贈頂いた。

「砂の嵐」朝練見つつなど15題、「月に供える」ひとつひぐらしなど16題、「神話のごとし」曾孫生れたりなど12題、合わせて387首。毎日10首ずつじっくり楽しんでいたら、ちょうど1年かかった。著者の豊かな生き方にふれ、わが人生を振り返ることができた。関心のある方は、今からでも始めたらいかがでしょうか。


学校の先生のブック(小学校・中学校の先生)

清水義範著「今どきの教育を考えるヒント」  講談社 本体1500

 現在の学校は、多くの困難を抱え、加えて外(社会の変化に伴う要請、教育行政からの方針や指示など)からの求めが多く、いくら誠実に頑張ってもきりのない状況が続いている。

 それらを、著者独自の視点から鋭く論評している。1999年当時の見解であること、校長を出世のゴールとみていること、「数学ができる」「体操が得意」「絵が上手」など優秀な子供の見方等に、違和感のある部分のないわけではないが、全体的にはものの見方考え方をはじめ教育(学校経営、教師論、カリキュラム、教育方法論などなど)に対する多面的・多角的な捉え方は、現在の課題・問題を考える際の手掛かりになる。

 内容は、荒れる子供たちの原因、教育論の原点に立つ、校長先生という職業、教育の根本原理、名先生の思い出、ほめる教育のすすめ、学級崩壊を考える等20章に及んでいる。 

<注:この欄で、色々な本を紹介するのはあくまでも情報提供です。@本欄を読むだけ、A関心があるので図書館で読んだ、B友達に借りて読んだなど、どうなさるのかはご自身の判断でお願いします。決して、押し付ける意図はございません。念のため。>

★備考★

[成美教育文化会館]で検索すると、「かけはし」のほか「メッセージ」「Q&A」「ほん本ブック」をはじめ「一宇荘」「至楽荘」「会館の会場貸出」など様々な情報が閲覧できます。ご利用ください。

posted by 豊島修練会 at 10:14| おすすめの「ほん・本・ブック」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする