2016年06月23日

おすすめの「ほん・本・ブック」


子どものほん(子ども、小学生&中学生)

日野原重明・詩、いわさきちひろ・絵「しかえししないよ」朝日新聞出版 本体1300


 医師で105歳の日野原重明先生の詩に、いわさきちひろ(故人)さんの絵で構成した「生と死」を見つめ、「命の尊さ」を感じ、広く「愛と平和」を訴え、「子供たちのいのちの大切さ」を語った詩集である。題名の「しかえししないよ」は、いのちを粗末にする争いごとはやめて「やられたら、強い力でやり返すのではなく、ぐっとこらえてやり返さないこと」の意味が込められている。「しかえししないよ」「平和の輪」「スキップ」「子どもはアート」「受ける愛と与える愛」「愛といのち」「無償の愛」「短い人生もある」「いのちと死は一つ」「メント・モリ」「新しい友との出逢い」「幸福とは」の12編の詩は、子どもにも、大人にも、大事な大事なたくさんのメッセージを伝えてくれます。


大人の本(パパ&ママ、ジジ&ババなど)

かこさとし・福岡伸一著「ちっちゃな科学」 中央公論新社 本体800


 絵本作家のかこさとしと、生物学者の福岡伸一が対談、Q&A、分担執筆した「身近に科学を実感できる」の本である。小さな時の興味・関心がそのまま続いて大人になったような二人から多くのことを学び取ることができる。中高生から大人(特にお父さん・お母さん)まで、特に小中学生に科学的な関心・意欲を促す立場にいる先生方に一読をお勧めしたい。

 内容は、「大切なことは「小自然」で学んだ」、「人生で大事なことは昆虫から学んだ」「対談:トンボが好きな子もいればダンゴムシに夢中な子も」「科学的センスの育て方2040答」「子どもたちと科学よみもの」など、気軽で楽しい科学の本である。


学校の先生のブック(小学校・中学校の先生)

新潟教育総合教育センター「競争より支援学力トップの上海の教育」時事通信社本体864


 PISA学力で、順位と平均点に必要以上に関心を持っているのはアジア諸国で、欧米諸国は、冷静に教育内容や指導方法の改善のために活用しているように感じているが、思い違いだろうか。もっと、根本から学校教育を見直し、質の高い学力の育成・定着・維持・発展に取り組むべきだと考える。本書は、モデルとして、ヒントとして、あるいは反面教師として活用すれば、自校流の教育改善に役立つはずである。

ところで、上海のPISA学力世界一の理由として、「中国は教育重視の程度が一般の国家より高い」「中国の小中学校教育の基本は科学中心主義の教育思想」「中国の小中学校教師は教科担任制」「中国政府は現場教師の継続的な教育に関心が高い」「上海では1988年から2回のカリキュラム教材改革を実施」「社会は学校の成績や進学率によって評価し、学校の校長や教師もテストの成績を上げることに重点」「学校の運営計画も教育の質の普遍的向上を実現」「高レベルで教育の質の均等化のもう一つの理由は、人民の住居の変化」の8つを挙げている。


★備考★[成美教育文化会館]で検索すると、「かけはし」のほか「メッセージ」「Q&A」「ほん本ブック」をはじめ「一宇荘」「至楽荘」「会館の会場貸出」など様々な情報が閲覧できます。ご利用ください。


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2016年05月29日

おすすめの「ほん・本・ブック」

今月は、どのコースも同じ本を話題にします。

蒔田晋治作・長谷川知子絵「教室はまちがうところだ」子どもの未来社 1620


子どものほん(子ども、小学生&中学生)

 「まちがうことをおそれちゃいけない。まちがったものをワラっちゃいけない。まちがった意見をまちがった答えを。ああじゃないかこうじゃないかと。みんな出し合い言い合うなかで。ほんとのものを見つけていくのだ。そうしてみんなで伸びていくのだ。」とある。

 誰だって,自分の答えや意見は正しいと思って発言している。でも間違っていることがある。そういうときは、この詩のように、皆で、どうしたら正しくなるか話し合ってみよう。きっと学習が楽しくなるよ。それから、わからないことがあったらどんどん質問しようね。


大人の本(パパ&ママ、ジジ&ババなど)

 冒頭に「教室は間違うところだ。みんなどしどし手を上げて、まちがった意見を言おうじゃないか。まちがった答えを言おうじゃないか。」とある。

へそ曲りの私は、あえて、これに反論する。子どもは、自分の意見や答えが正しい(自信はないかもしれないが)と思ってノートに書いている。間違った意見だと分かっていて発言する子供はいない。答えが間違っていると思いながら発表する子供もいない。

だから、子どもには、自分の考えたことやしたことは正しいと思って発表しなさい。もし間違っていたら、「どうして間違いなのか?」「どうすれば正しくなるのか?」と考えれば、次から同じ間違いはしなくなるよ。と、言うようにしたいものである。

むしろ、分からない時そのままにしておかないで、調べたり質問したりすることを奨励しましょう。「訊くは一時の恥、聞かざるは一生の恥」と言いますね。


学校の先生のブック(小学校・中学校の先生)

 この詩は、中学校の教師だった著者、間違いを恐れるあまり発言しない中学生に「もっと自由に、間違いを恐れずに、間違いを気にせずに自分の意見や答えを発表してほしい」という願いを込めて、生徒へのメッセージとして作ったものだそうである。

 この詩を読んだ小学校3年生の感想「間違いを恐れないで、どしどし発表しようと思います(主旨要約)」を送ってもらって、著者が感動し、出版に至ったそうである。


 教師は、子どもにとってティーチャー(指導者)であるとともにファシリーター(進行役・調整者)でなければならない。第一に、課題に取り組んでいるときには、子どもの学習状況や反応を見取って、そのときその場で支援をすることが大切である。第二に、子どもが発表した時に恥ずかしい思いをさせないよう、答えは間違っていてもきらりと光る部分を見つけ、認めることが重要だ。第三に、アクティブ・ラーニングよろしくその間違いを、この詩のように、皆で話し合い学び合ってよくし、正しくしていくのである。


★備考★[成美教育文化会館]で検索すると、「かけはし」のほか「メッセージ」「Q&A」「ほん本ブック」をはじめ「一宇荘」「至楽荘」「会館の会場貸出」など様々な情報が閲覧できます。ご利用ください。


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2016年04月27日

おすすめの「ほん・本・ブック」


子どものほん(子ども、小学生&中学生)

 ジェンマ・エルマン・ハリス編 西田美緒子訳 タイマタカシ絵「世界一ときめく質問、宇宙一やさしい答え―世界の第一人者は子どもの質問にこう答える」     河出書房新社 本体2500

 まえがきに「子どもからの質問に、大人は冗談や適当な答えでごまかし、その場をやり過ごすことが多い」とある。全く、その通りである。なぜなら、素朴で簡単な質問ほど、実はその意味を子どもに説明することは難しいからである。孫に訊かれて、結構いい答えをした筈なのに「結局、ジージもよくは知らないということね」ということがよくある。

 例えば、第1問は「宇宙には行き止まりがある?」と質問されて、これに素粒子物理学者が、「それは重大な問題だ。でもその答えは、…」と回答している。第2問は、「サルはこれからヒトになっていくの?」と質問し、動物学者&植物学者が、「……。森の中に猿の食べ物がたっぷりあって、森もサルたちが暮らせるだけの十分な広さを保っているなら、サルはずっとサルのままでいるにちがいない」と答えている。「意地悪な人にも優しくしなくちゃいけないの?」等131もの質問と、その道の第一人者による分かり易い答えが紹介されている。子どもが読んでも、読み聞かせても、大人が読んでも、発見の沢山ある楽しい本である。


大人の本(パパ&ママ、ジジ&ババなど)

藻谷浩介・NHK広島取材班「里山資本主義―日本経済は「安心の原理」で動く」

  角川ONEテーマ21 本体781

 都会暮らしは確かに便利だが、本当に幸せなのか。経済的に豊かでもなく生活が近代化していないのに、国民が世界一幸せだと感じているブータンのような国もある。日本にだって昔ながらの住み心地の良い暮らしがある。というような主旨のまえがきがあり、決して、押し付けるわけではないがといいつつ、広島県などいくつかのモデルの紹介を通して、ゆったりした生活の中の幸せを発信している。今の生活を180度変換できないにしても、生き方、生活の仕方を見つめ直すきっかけになる1冊である。


学校の先生のブック(小学校・中学校の先生)

 千々布敏弥監修・福井らしさを探る会編著「県外から来た教師だからわかった福井県の教育力」 

GAKKEN 本体1500

 福井県・秋田県の学力の高さはよく知られている。その要因はどこにあるかを、学校関係者は知りたがっている。本書は、県外から1年間、福井県の公立学校に教師として勤務・研修した教師が、実体験を通して「福井県の教育力」の素晴らしさを解明したものである。

本書から「体力も学力もトップ」の神髄を読み取ってほしい。内容は、第1章「しなやかで高め合う協働−福井の教育の良さ」、第2章「しなやかで高め合う協働はいかにしてつくり上げられたか」、第3章「福井の教師の授業づくり−高い学力を育む授業はどこが違う」、第4章「福井の体力向上−学力と同様に体力も伸ばす」、第5章「自然に行われる徹底」、第6章「福井の良さを取り入れるには」、終章「福井県の教師文化は、重要文化財」である。

posted by 豊島修練会 at 15:52| おすすめの「ほん・本・ブック」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする