新 暦 と 旧 暦 〜 織り姫と彦星は、年に二度逢うチャンスがある!? 〜
例年ならば、2月の初めになると中国などから多くの観光客が日本にやってきます。中国ではこの時期を「春節」と呼んで国民の休日とし、1月1日よりも盛大にお祝いをします。北京冬季オリンピックとともに、春節の話題を見聞きするようになりました。同じような国は、韓国やベトナムなど10か国もあります。
さて、日本に目を向けてみます。現在使われている歴は新暦と呼ばれるもので、太陽の動きをもとにしてつくったものです。1年を365日としていますが、地球が太陽の周りを1周する日数は、約365.25日なので、ぴったり365日では、1年で0.25日ずれてしまいます。そこで4年に1回うるう年をつくり、2月を1日増やしてこのずれを直しています。
一方で、明治時代の初めまで使われていた歴は、旧暦と呼ばれるもので、月の満ち欠けをもとにしてつくったものです。月の満ち欠けの周期は29.5日なので、12倍すると1年は354日にしかなりません。つまり1年を12ヶ月にすると、年間で約11日ずれてしまいます。そこで何年かに1回、1年を13か月にしました。
まだ旧暦が使われていた明治3年には、10月のあとにもう1回「うるう10月」を設け、1年を13か月にしてずれを直しました。世界の人々と交流を深めようという当時の時勢に、これではあまりにも不便だというので、明治政府は「旧暦の明治5年12月3日を、新暦の明治6年1月1日にする」との御触(おふれ)を出しました。「さぁ、これから年末」という日が突然正月になったので、当時の人々はとても当惑したそうです。
今でも新暦の2月に、「旧正月」という名目で正月のお祝いをする地方が残っています。新暦では正月の気分が出ないということでしょうか。ひな祭りは「桃の節句」とも呼ばれていますが、桃の花は3月の初めにはまだ咲いていません。旧暦の3月3日は、桃の花咲く今の4月上旬の頃です。7月7日の七夕祭りは梅雨の真っ最中で、星もよく見えません。有名な仙台の七夕祭りは8月に行われています。その地で根付いた行事は、これからも新暦や旧歴とともに、季節の移ろいの中で行われていくのだろうと思われます。
さて、今年の節分は2月3日です。その由来やこの日である理由など、団欒のひと時の話題にしてみてはいかがでしょうか。(T.Y.)