2025年12月25日

会館だより「かけはし」


丸い餅と四角い餅

 お餅は一年中お店で買って食べることができますが、以前は、お正月などの年中行事や、お祝い事で食べるものでした。

 普段食べているお米(うるち米)のデンプンは、アミロースとアミロペクチンが約2対8の割合になっています。しかし、もち米はアミロースを含まず、100%アミロペクチンでできているため、強い粘り気と弾力性があり、冷めても硬くなりにくいという特徴があります。うるち米も一晩水につけておくとアミロースが水に少し溶け出し、粘り気が増えますが、もち米と同じにはなりません。

 昔日本のお餅は手で丸めて作られていたため、歴史の古い地域では今でも丸い餅が主流です。丸い餅は、神様にお供えする鏡餅の形からきており、「その年を丸くおさめる」「家庭円満」という意味が込められていました。しかし現在では、主に丸餅を食べる地方と角餅を食べる地方に分かれています。例外はありますが、一般的に西日本は丸餅、東日本は角餅です。北海道は全国から人が集まった地域なので、丸餅と角餅の両方が食べられています。また沖縄は、甘くて丸い餅が食べられています。

丸餅角餅.jpg なぜ東西で分かれたかについてはいろいろな説がありますが、岐阜県の関ヶ原で行われた関ヶ原の戦いも一つの理由としてあげられています。また、江戸時代になると、江戸城下では人口が急増加し、一つ一つ手で丸めていたのでは生産が追いつかず、餅をひろげてのばしてから切り分ける「角餅」が生まれました。これが関東以北に角餅が広まるきっかけになったと考えられています。

 お餅には熱すると軟らかくなる一方、冷えると硬くなるという特徴があります。

 食べたすぐはお餅が温かいため、軟らかい状態で体の中を通過します。しかし、腸に流れていくうちにだんだん冷えて硬くなっていき、結果的に腸のところで詰まりやすくなってしまうのが、腸閉塞という病気の原因の一つです。寒い時期は腸の運動も落ちますので、高齢者は食べすぎないよう、特に注意が必要です。 (T.Y.)

posted by 豊島修練会 at 15:52| 会館だより「かけはし」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年11月29日

会館だより「かけはし」

かけはし R0712月号@.pdfかけはし R0712月号A.pdf


インフルエンザに気を付けましょう 〜現代の病でもないらしい〜

 今年はインフルエンザの流行が例年より早まっています。都内では11月中旬には警報基準を超えました。幼稚園や保育園、学校などでは、遠足や運動会などの行事が、中止になったり延期になったりしました。

 インフルエンザウイルスは1万分の1oと極めて小さく、電子顕微鏡を使わなければ観察することができません。そのため、病気そのものは古くからあったのですが、病気がなぜ起こるのか、長い間わかりませんでした。昔の占い師たちは、冬に大流行して春には収まるので、インフルエンザの流行を星の運行や寒さの影響によるものと考えました。その結果、星の影響という意味のラテン語「Influentiacoeli(インフルエンシャル)」と呼んだのがインフルエンザの始まりといわれています。

 日本では西暦1010年に一条法王が「しはやぶきやみ(恐らくインフルエンザ)」のため37歳で死去されたという記録が残っています。江戸時代に入ると記録はさらに詳細になり、インフルエンザを連想させる病気を「はやりかぜ」と呼ぶようになりました。

 インフルエンザが世界的に最も猛威をふるったのは、西暦1918年頃から始まった「スペイン風邪」です。全世界で5億人が感染したとされ、 これは当時の世界人口の3分の1近くにあたります。死者も5千万人から1億人くらいだったと考えられていて、日本でも40万人近くが命を落としました。

マスクとうがい.jpg スペイン風邪という名前はついていますが、スペインから流行が始まったわけではありません。西暦1918年は第一次世界大戦中で、各国とも情報が統制されていて自由に報道することができませんでした。しかしスペインは中立国だったので、感染症による被害を自由に報道できたので「スペイン風邪」という名前になってしまったのです。実際にはヨーロッパに派遣されたアメリカの兵隊がアメリカから持ち込み、それが広まったと考えられています。そして、この大流行によって多くの死者が出たことで、徴兵できる成人男性が減ったため、第一次世界大戦の終結が早まったといわれています。

マスク.jpg 日本では、この流行をきっかけとして、マスクをつける習慣が広まっていきました。(T.Y.)

posted by 豊島修練会 at 16:30| 会館だより「かけはし」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年11月06日

会館だより「かけはし」


〜季節の変わり目に思う、今日(こんにち)の変化や文化のこと〜

しか.jpg 昨年に続いて今年も暑い夏でした。東京は10月6日に30℃近くまで気温が上がり、何時になったら秋がやってくるのか心配になってしまいました。ところがそれからわずか2週間後の10月22日には、12月初旬の気温になったので、慌てて毛布を引っ張り出したお宅もあったのではないでしょうか。

 紅葉が美しいことで知られる京都では、毎年11月上旬から12月にかけて見頃を迎えますが、今年は少し遅くなるのではないかと言われています。気象学では、季節を春(3〜5月)、夏(6〜8月)、秋(9〜11月)、冬(12〜2月)と3ヶ月ごとに区切るのが一般的ですが、近年は秋がだんだんと短くなり、夏から急に冬になってしまうような感じがあります。地球温暖化が進むと、益々この傾向が進むのではないかと心配されています。

 日本には春夏秋冬の四季があり、「天高く馬肥ゆる秋」という言葉が、秋の澄み渡った空と過ごしやすい気候を称賛する言葉として広く使われてきました。しかし中国の元々の意味は、秋になると北方の騎馬民族が、食欲が増して肥えた馬に乗って襲撃してくるから気を付けろという警告だったそうです。

 「秋」という言葉には語源がいろいろあり、どれが正しいということはありません。

 秋の空は爽やかであきらかだという説や、木の実が実って赤黄(あかき)色になっているという説、食べ物が豊富に実って、飽きるほど食べることができるという説などがあります。

落ち葉.jpg 「秋」は、イギリスでは「オータム(収穫期)」、アメリカでは「フォール(葉が落ちる季節)」という言葉が日常使われます。昔イギリスではどちらも使われていましたが、アメリカへ渡った人たちは、なぜかフォールという言葉を使う人が多かったので、この言葉がアメリカに根づき、反対にイギリスではオータムという言い方が残ったのだそうです。アメリカでも、あらたまった場では、オータムという言葉が使われることがあるそうです。

 「秋」は、フランス語では「オトンヌ」、ドイツ語では「ヘルプスト」、スペイン語では「オトーニョ」と言いますが、どれも「収穫」と関係ある言葉です。(T.Y.)

posted by 豊島修練会 at 14:18| 会館だより「かけはし」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする