2025年07月03日

会館だより「かけはし」

かけはし R0707月号@.pdfかけはし R0707月号A.pdf


木陰が涼しい理由 〜人間の日常生活は自然の恩恵を受けている〜

しおれた植物.jpg 東京は6月としては真夏日が観測史上最多となり、東京の梅雨明けも例年より早まりそうです。今までに梅雨明けが一番遅かったのは1982年の8月4日ですから、その年に比べれば、およそ1カ月も早い計算になります。晴れた日には、コンクリートの床面や金属でできた手すりは、触れないほど熱くなってしまいます。でも、木の幹や木の葉は熱くなりません。木陰も涼しく感じます。これはどうしてでしょう。

 実は、植物は根から大量の水分を吸い上げ、それを葉から絶えず空気中に放出することで、温度が高くなるのを防いでいるのです。

 日陰の植物は、それほど強い日光に当たる必要はありませんが、多くの植物は葉に日光を受け、光合成によって、エネルギーの素になる養分を作りだします。そのため、どうしても、葉に日光を受ける必要があるのです。貯めてある水分を空気中に放出し、根から吸い上げた水分で、放出によって失われた水分を補充するのですが、もしも新たな水分が補充されないと、葉はしぼんだ風船と同じようになり、しおれてしまいます。

元気になった植物.jpg 木のサイズにもよりますが、樹木1本あたりでは、一日に数十から数百リットルの水分を空気中に放出しなければなりません。草原の植物は、樹木よりももっとその量が多くなり、1平方メートルあたり10リットルの水分を放出すると言われています。

 水分を放出するためには、それに見合う水分を根から吸い上げる必要があります。地面から生えている植物は地中から水分を吸い上げることができますが、プランターや鉢植えの植物は、それができません。真夏の日中、水やりを忘れると、簡単にしおれてしまうのはそのためです。

 植物への水やりというと、一般的には土にかけるイメージが強いと思いますが、植物は葉からも水分を吸収します。そのため、水やりをするときは土だけでなく、葉全体に水がかかるようにするとよいでしょう。特に湿度が高い熱帯雨林に生えていた観葉植物は、むしろ根よりも葉から水分を吸収する能力が備わっています。

 但し、真夏の日中に葉に水をかけるのは避けてください。葉に当たった水滴がレンズの役割を果たし、日光で葉焼けを起こしたり、土中の水温が上がりすぎ、根腐れの原因になったりする可能性があるためです。水やりは、朝の涼しい時か、夕方涼しくなってから適度に行うのが良いでしょう。  (T.Y.)

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2025年06月04日

会館だより「かけはし」

けはし R0706月号@.pdfかけはし R0706月号A.pdf


ゼムクリップと安全ピン 〜この小さくも便利な道具の生い立ち〜

 ・ゼムクリップ

ゼムクリップ.jpg クリップの中で、最もありふれているのがゼムクリップです。長さが10p〜20pの針金を3回曲げただけの単純な作りで、どこにでも売っていて値段もとても安い道具です。作りは簡単で素材も普通の針金なので、時間をかければ小学生でも作ることができます。しかし、クリップとして必要なスプリング機能もきちんと持っているので、それほどたくさんの枚数でなければ、しっかりと役目を果たすことができます。

 ゼムクリップを誰がいつ発明したのかについては、はっきりしていません。しかしそれほど古いことではなく、19世紀末のことです。それまでは、紙を止めるためにはピンが使われていました。ピンはうっかりすると指を傷つける心配があり、紙に穴が開いてしまうという欠点があります。日本では「和綴じ」といって糸で縛る方法が使われていましたが、やはり紙に穴が開いてしまうし、少しの枚数をいちいち和綴じにするのは面倒です。そんな意味で、ゼムクリップは「20世紀をつくった日用品」のなかで、その代表にあげられています。

 ・安全ピン

ギリシャ時代の安全ピン.jpg 指を傷つけないようにするための道具に「安全ピン」があります。布地と布地を重ね合わせて留めるためには、昔から先端を鋭くとがらせたピンが使われてきました。しかし、今から2000年以上前の古代アテネでは、女性はマントを固定する際、とがったピンを使うことを禁じられていました。あるとき、ピンが凶器として使われ、兵士が殺害される事件があったからです。そのかわりとして、現在の安全ピンに似た、留め金付きのピンが使われていました。

安全ピン.jpg 現在使われている安全ピンは、アメリカ人のウォルター・ハントによって発明されたものです。ある日、針金をいじっていたハントは、1本の針金を真ん中でコイルのように巻くと、バネのようになることを発見し、広がろうとする針金の両端を留め金で固定することを思いつきました。ハントはこのアイデアを図面に起こして、1849年4月に特許を取得し、その権利を売ることで、今の価値で1万ドルの収入を得ることができたということです。 (T.Y.)

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2025年04月27日

会館だより「かけはし」

かけはし R0705月号@.pdfかけはし R0705月号A.pdf


イチゴは今が食べ時

 「イチゴ」は1000年イチゴ果実.jpg以上前から知られていて、当時は「イチビコ」と呼ばれていました。それがいつ「イチゴ」になったか、はっきりしませんが、今では野生の「キイチゴ」とか「クサイチゴ」がそれに当たります。

 現在、私たちが食べているイチゴは、江戸時代末期の1830年頃、オランダ船によって持ち込まれたもので、それまで日本にあったイチゴと区別するため、「オランダイチゴ」と呼ばれました。明治時代になると、外国から様々なイチゴが入ってきて、1900年頃からは、本格的に栽培が始まりました。

イチゴ粒々.jpg 私たちが普段店先で見かけるのは「あまおう」とか「とちおとめ」など数種類ですが、今では改良が進んでいて、その品種は300もあり、年々増え続けています。

 品種改良や栽培方法の工夫のおかげで、イチゴは一年中食べることができるので、どの季節のものなのか、はっきりしなくなっていますが、本来は4月〜6月頃の果物です。

 カキやリンゴは、実の中に種が入っていますが、イチゴは実の表面に種が散らばっています。(正確に言うと、小さな一粒一粒は種ではなく実で、それぞれの実の中に一粒の種が入っています。)ですからひとつのイチゴには、200〜300の種がついている計算になります。果実として食べている部分は「花托(かたく)」という部分で、他の植物に当てはめると茎の部分になります。つまりイチゴは茎が肥大化したものなのです。

 イチゴ断面.jpgイチゴ花のあと.jpgイチゴ花.jpgイチゴは種から育てることも出来ますが、収穫までに2年くらいかかり、世話も大変です。ですから店で売っている苗を育てた方が簡単です。イチゴは多年草なので、その苗は毎年実をつけてくれます。また、先の方に新しい芽をつけた「ランナー」と呼ばれるツルのようなものが出てくるので、それを別なところに植えれば、新しい苗を増やしていくことができます。(T.Y.)


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