かけはし R0707月号@.pdfかけはし R0707月号A.pdf
木陰が涼しい理由 〜人間の日常生活は自然の恩恵を受けている〜
東京は6月としては真夏日が観測史上最多となり、東京の梅雨明けも例年より早まりそうです。今までに梅雨明けが一番遅かったのは1982年の8月4日ですから、その年に比べれば、およそ1カ月も早い計算になります。晴れた日には、コンクリートの床面や金属でできた手すりは、触れないほど熱くなってしまいます。でも、木の幹や木の葉は熱くなりません。木陰も涼しく感じます。これはどうしてでしょう。
実は、植物は根から大量の水分を吸い上げ、それを葉から絶えず空気中に放出することで、温度が高くなるのを防いでいるのです。
日陰の植物は、それほど強い日光に当たる必要はありませんが、多くの植物は葉に日光を受け、光合成によって、エネルギーの素になる養分を作りだします。そのため、どうしても、葉に日光を受ける必要があるのです。貯めてある水分を空気中に放出し、根から吸い上げた水分で、放出によって失われた水分を補充するのですが、もしも新たな水分が補充されないと、葉はしぼんだ風船と同じようになり、しおれてしまいます。
木のサイズにもよりますが、樹木1本あたりでは、一日に数十から数百リットルの水分を空気中に放出しなければなりません。草原の植物は、樹木よりももっとその量が多くなり、1平方メートルあたり10リットルの水分を放出すると言われています。
水分を放出するためには、それに見合う水分を根から吸い上げる必要があります。地面から生えている植物は地中から水分を吸い上げることができますが、プランターや鉢植えの植物は、それができません。真夏の日中、水やりを忘れると、簡単にしおれてしまうのはそのためです。
植物への水やりというと、一般的には土にかけるイメージが強いと思いますが、植物は葉からも水分を吸収します。そのため、水やりをするときは土だけでなく、葉全体に水がかかるようにするとよいでしょう。特に湿度が高い熱帯雨林に生えていた観葉植物は、むしろ根よりも葉から水分を吸収する能力が備わっています。
但し、真夏の日中に葉に水をかけるのは避けてください。葉に当たった水滴がレンズの役割を果たし、日光で葉焼けを起こしたり、土中の水温が上がりすぎ、根腐れの原因になったりする可能性があるためです。水やりは、朝の涼しい時か、夕方涼しくなってから適度に行うのが良いでしょう。 (T.Y.)

